重金属とJapanese Public Bath的な

へヴィメタルレビューと銭湯めぐりレポ。たまに街歩き感想も書くかも。更新は不定期です。

やらないほうがいい勉強法(前編)

 

 やらないほうがいい勉強法について、なぜかをお話します。

 このカテゴリのどっかで、勉強をするときは

 「自分でしかできないことをやって、ほかの余計なことはやらない」

 ということをたしか書きました。

 じゃあ、「自分でしかできないこと」って何でしょう。それは、

 「知識を覚え、使いこなせるようにすること」

 勉強って言うと大層なものに聞こえがちですが、実はこれだけの作業だと思います。

 だから、効果が低いこと、意味のないこと、間違った方向に進んでしまいがちなことはやらない方がいい、なぜなら時間ばっかりかかって効果が出ないから、ということになります。

 では、具体的に書いていきますが、ここでひとつだけ余談。

 こういう「例示型の文章、プレゼン、授業」を聞くときは、疑問を持ったところ、わからないところ、初耳なところだけ聞く、もしくは拾い読みをするというのが正しい態度です。スポーツと違ってマスターしたことは忘れるまでやらない、それでいいんです。だから、俺もこれはハマりやすいやり方だな、と思うことは具体例をあげたりして分厚く書きますが、これは常識で考えればわかるだろうな、というようなことはさらーっと書きます。

 まあ、読む人によっては結構耳の痛いこともあると思いますから、「コイツムカつく!」と思われるのが怖いってのもありますけど~(笑)

 

1、勉強のすべての段階でやらないほうがいい勉強方法

・一日何時間勉強すると決めてしまう

 これ、ナンセンスです。「何時間」って決めちゃうと、それがプレッシャーになって、最初は守ろうとするんですが、どうしたって予定が入ったり気分がのらなかったり体調が悪かったりして時間を守れない日が出てきます。

 真面目な人ほど「あー、今日は守れなかった、俺ダメだなあ」ってなって、結局勉強自体しなくなっちゃいます。

 勉強をするときはその日でやる範囲、で決めましょう。

 基本テキストや本を1回全部速く読む、全部できなかったらここは苦手だからここからここまでだけはやろう、そういうふうに決めて構いません。「やらなくなるよりまし」です。

 もちろんやる範囲を決めて、それが早めに終わったら余計に勉強してもいいし、よし、クリア!ってんならほかのことしてる方がよっぽどいいです。

(対策)勉強のスケジュールは「範囲と量」で決める

・やたらと解説が詳しい本を買う

 これはどっかで話しましたが、英語で言うロイ○ル英文法、ですねオレが使って挫折した(笑)。いきなり解説が詳しい本を買ってそれを読んで勉強しても、量が多すぎて消化できません。だから最初に「みんなが使っているスタンダードな本でわかりやすいと思うもの」を選べ、と言ってます。解説がやたら詳しい本は買ってもいいんですが、ある程度レベルが上がらないと使いこなせないし、ただ単にその知識を使いこなせるようにするだけなら、そこまで必要ないことも結構あるわけですから。

(対策)詳細な解説の本はどうしてもわからない時に調べる辞書として使う

・あれもこれもと本を揃える

 これ、論外ですね。知識の入れ方の基本で、「すべての範囲を、速く、何度も繰り返す」って言いましたけど、いくら何回も読めばはたから見れば超人的なスピードで読めるようになるっつっても、自ずと時間的な限界があります。俺の経験では最初に基本となる本をじっくり選べば、1科目1冊でいいし、それが限界です。

 あれもこれもと本を揃えるのは、その分野にある程度習熟して、初見の本でも早く読めるようになってからにしましょう。知識の幅を広げるためにはその手順がベストです。

(対策)まず最初に選んだ一冊をマスターしてから。そうすれば次の本は大して苦労しない。

・ノート・サブノートを作る

 これは間違いが多い勉強法の筆頭です。ちょっと俺が勉強のやり方に悩んでいた時、大人になってもノートを作れ、と指導している勉強法の本が多いことにびっくりしました。

 なぜかというと、カラフルなノートを作ったり、綺麗なノートをまとめるっていうのは、知識を覚えて使いこなせるようにすることの本筋ではないし、自分でなくてもできることなんです。大学受験までなら参考書にそういうのがあるでしょ?

 中学生の頃、すごい勉強家の女の子(仮名A)がクラスメイトにいたんです。狭い街だったんで母親同士がお茶飲み友達だったんですが、部活が終わって帰ったら中学生なのに19:00~23:00まで机に向かって「勉強」しているってのはよく聞いてました。でも、成績が5教科500点満点中400点くらいしか取れてないんです。コンスタントに一日4時間も、当時の俺からすれば超人的な、信じられない時間勉強しているヤツでした。

 片や、俺は生徒会やって、部活終わって帰ってきたらご飯食べて風呂入って、茶の間で一日20分位ちょこっと勉強したら、そのあとはとんねるずだったか何かの番組見て大笑いして、そのあとはゲーム(笑)。

「なんでうちの子はあんなに勉強しているのにminex君に全然かなわないのかしらねえ」

 ってよくうちの母親に言ってたみたいです。

 で、A本人にそんな長い時間何を勉強してんの?って聞いたら、

 「ノート作ってる」

 というんです。しかも、授業はすごいまじめに聞いて、授業中にメモをするノートと、ちゃんとした完成版ノートってのを使い分けていて、家に帰ってからその日のメモノートをもとに教科書とかを参照しながら知識をまとめて完成版ノートを作っていたそうです。ノートを見せてもらうと、すっごい綺麗。ペンも何色も使ってカラフルに知識がぴたっとまとめられていて、お金出して買うやついるだろうなーっていうくらい。

 片や俺のノートはほとんど真っ白(笑)。シャーペンオンリーか、時々赤でこれわかんないとか走り書きしてあるだけ、計算とかメモはバラバラと書いてあっても、もともと字が汚いのもあって、俺以外には読めない、いや、俺自身も何書いてあるかよくわからん、というようなノートでした(笑)。

 じゃあなんでこんな差が出るかというと、ノートを作ることは知識を入れて使いこなせるようにすることとはほとんど関係ないからなんです。

 当時はそこまで意識してないし、勉強のやり方を今ほど筋道立てて考えなかったんですが、効率的かそうでないかってのはここに答えがあったわけです。

 当時俺の授業の受け方は、先生が授業始めたらその日の範囲の教科書をざーっと読んじゃう、教科書準拠のワークがセットになっていたので、そのワークを自分でさっさとやって答え合わせをして、わからなかったところ、間違ったところを教科書に書き込んで、もう何回か教科書読んでわかったと思ったら後はボケーっとしてるというものでした。で、家に帰ってから気分が乗ればもう一回だけその日の範囲をザーッと見直してワークで間違った問題をやってみるだけ。その他に隣町の塾に週3回行っていたとはいえ、となりの中学校の友達と遊びに行ってたようなもんで、そこでの授業の受け方も同じでしたからね。

 一方Aの教科書は綺麗なまま。更に「問題解いてるかお前?」って聞いたら、たしか

 「分かるまで問題はやってない」

 って答えが返ってきました。当時はあっそーで済ませちゃいましたけど、今ならだから勉強する割に伸びないんだお前って言うでしょうね。

 つまり、Aの勉強の悪いところは

・問題を解いていない

・勉強の回数が一回しかない

・ノート作りという「余計な作業」に時間をかけすぎている

 だからやった時間、払った労力を知識を身につけて使いこなすということに結びつける効率が悪すぎてAの数分の一位しか勉強時間を取っていない俺と比べて差がついてしまっていた、というわけです。

 ちょっと余談が長くなったし、持ってきたたとえが中学生のたとえですが、これ笑えますか?笑ってられないんじゃないのって思う人、俺結構知ってますよー。

 なお、テキストがない調査、取材の際はきっちりメモはとります。当たり前ですね。

 ということで、対策は以下のようになります。

(対策)ノートを作るのは作業であって勉強ではない。わからないこと、盲点は教科書・基本テキストにどんどん書き込んで何度も読めばいい

・いちいち論文を書いたり計算をやる

 これは、ちょっと前のドラマですが、ドラゴン桜ってありましたね。俺あの漫画は読んだことないんですが、阿部寛主演のやつ。

 あのドラマで数学を勉強するときに、「問題解答同時プリント」ってのをやってました。

 やり方は問題を読んで、5分(たしか)以内に解答の方針を考える、5分たったら答えをみる、考えた方針があっていたらできたものとして次の問題に進む、できなかったら答えを読んで解答方針を覚える、というものでした。

 これ、論文試験にも使える方法です。いちいち論文や計算をしていたら「書いている時間、計算をしている時間」のロスが大き過ぎるんです。

 読むスピードは習熟度で個人差が大きく出てきます。それこそ10倍20倍の差じゃない差が最終的についてきます。でも、書く速さってそんなに人間変わりません。いちいち書いていたらそこで高速回転が止まります。計算ミスをなくすとかは、別に計算の練習をちょこちょこする程度でいいんです。小学生の「けいさんドリル」じゃないんですから。

(対策)実際に論文を書いたり、計算をするのは答練、模試、実際の実務の時だけでいい

・ゼミ・討論会・ワークショップ形式

  これは文系の勉強では本当にやらないほうがいいです。理系なら実験が必要なのはわかりますが、俺高校で理系からドロップアウトした(笑)組なので、あくまで文系に絞った話です。

 ゼミは授業と同じで時間に比較してやる範囲・量が狭すぎます。また、学生・受験生など、その分野を勉強している途中のレベルのひとが集まってゼミやったって、キツイ言い方をすれば素人は素人でしかありません。

 低いレベルでいちびっているだけ、しかも効率が悪いときています。深い理解なんか素人が集まって話し合ったってできません。そんな暇な時間があるなら基本テキストを1回でも多く読んでる方が、かけた時間が効率よく知識に結びつきます。

 討論会形式になるともっとダメですね。よく話し合う過程が大事だ、とか言われますが、そんなことはありません。結論が決まっているなら、余計な話し合いはやめて実行する、実行しながらもっといいやり方はないかってみんながアイデア出し合うほうがいいんです。

 ちょっと勉強とは離れますが、俺小中は生徒会長やってたんですが、一個下の学年の担任がレベル低くて、生徒総会とかになるとどーでもいいことをその学年の生徒に突っ込ませるんです。「発言すること、質問することに価値が有る」って生徒に教えたみたいで、学校祭の企画の出し物とか、模擬店のメニューとか、「なぜ焼きそばを出すんですか?」「パフェ出したいです」とか(笑)。じゃーパフェ作ってみなさいよ、できますか?聞いたら、「私にはできません」…オイオイ(笑)みたいなやりとりが延々続いてました。

 違いますよ。「建設的な発言、鋭い質問すること」には大きな価値がありますが、ただなんでも発言すること、質問することには意味がありません。

 「いい加減もうさっさとやめて給食食べましょうよ、腹減った」とか、「でも結局結論が変わんないならこれで決めますから、これでいいですね」つって、俺の学年と二個下の同意を取り付けてさっさと終わらせたこともありますねー(笑)

 これは笑い話ですが、大学とか、社会人になってもこういうことしてるのが、学生・受験生同士の討論会ってやつです。

 何回か潜ったことはあるんですが、たった一つの論点を取り上げて、お互いに揚げ足を取り合ってるだけ、言ってることは種本の丸暗記。揚げ足を取る能力が高くなったって意味はありません。種本の丸暗記なら本読んでる方が速いんです。

 更に悪いことには、こういうところには必ずといっていいほど、ネクラな勉強オタクがいます。例えば司法試験なら、いかに司法試験が難しいかを周囲に語り、俺こんな細かい論点も知ってんのやでーって周りを見下した態度を取るようなガリガリでメガネをかけた文化系のネクラオタクサークル(おいおい言いすぎだぞ)にいるようなの。こういうのと関わるといいことがありません。プレゼンをすればどうでもいいことで引っ掻き回し結局結論は変わらない、ゼミをやれば単に知識の披瀝、他者の批判だけで建設的な意見はない。

 …あれ?何かに似てると思いません?そーですね。中学生のたとえで出したアレですね。学校祭で焼きそばかパフェかの議論が、法学にすり替わっただけでやってることは同じです。

 こう言う奴ってほんとに多いんですよ。。。大体が試験にいつまでたっても受からず、音信不通になって、当時の知り合いに「そういえばあいつどうしてんの?」って聞いても誰も知らない、ってなっちゃって…。仕事ならまだしも、勉強で自分で自分をそこまで追い詰める必要ないんですけどね。

 どうしてもゼミ・討論会・ワークショップ形式の勉強会したいなら、ちゃんとしたプロのオブザーバーを付けない限り無駄です。ただし、趣味の手芸とかならワークショップはいいんですよ。そのへんは誤解なきよう。俺手芸なんてしませんけど(笑)

 しかし、友達と勉強するときは、ただ同じ場所で勉強しているだけで、それぞれが自分の勉強している、わからないところは得意なヤツに聞いたりするっていうのは有効ですから、ここは誤解なきようお願いします。

(対策)ゼミなどをするならプロのオブザーバーにおかしい方向に行ったら修正してもらう

 陥りやすい罠を回避するって目的で書いてますが、例え話が多くなって疲れてきたんで、残りの以下の項目は次の記事で!

2、やった方がいいが、勉強の初期段階ではやらないほうがいいもの

・単語集・一問一答集等をやる

3、勉強方法というよりは精神論だなと思うもの

・常に机に向かって勉強する

・静かな環境でしか勉強しない

 

 お腹空いてきたーーーーー。